Variations on a Silence——リサイクル工場の現代芸術/Project for a Recycling Plant アーカイヴプロジェクトのウェブサイト
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佐藤康智

三日前は大森にあるオープン間近のリサイクル工場にて開催されたノイズを主題とするイベントに足を運んで柄にも無くアートを堪能し、一昨日は渋谷青学にて催された恩師がコーディネーターを勤める中世文学の学会に参上して久々に学生気分となり知恵熱を発し、昨日はやはりキャラ不相応にも営業すべく新宿にある未知の出版社に赴き編集者の「あなたは将来的にどうなりたいのか」という質問に何も答えられず自己嫌悪に陥りその後自棄になって大層飲んだ。
(二〇〇五年五月三十一日の日記)

どのような音だったか、今は正確にはおぼえていない。が、工場で聞いたあの轟音を背負いながら、大森からも渋谷からも新宿からも、とぼとぼ帰途についたことは忘れていない。

佐藤康智 文芸評論家