日本国内で、美術館規模でのクリスチャン・マークレーの個展を観ることができる日が訪れるなんて、想像もしなかった。作品をしっかり実見するのは、「Variations on a Silence」展の鑑賞の機会以来かもしれない。
マークレーもその重要人物の一人である、80年代のニューヨークの前衛音楽シーンには、ポストモダンの刻印と自意識が強烈に記されていたと同時に、メジャーに対するカウンターであり、アンダーグラウンドでもあった。その後マークレーが、現代美術のシーンにおいて、高い評価を得ることになるものの、今日なお、80年代のカウンターの「ヤバい」精神は確かに息づいている。
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